コラム

子供の6歳臼歯が生えてくるときに起こる9つのトラブルと対策

6歳臼歯は、奥歯から生えてきたのに痛みが出たり、なかなか生えてこなかったりしてトラブルが起きやすい歯です。6歳臼歯は永久歯の中でも早く生えてくる歯の一つです。
しかし、実は6歳臼歯は歯の生え始めの時、最もトラブルが多い歯なのです。今回は6歳臼歯が生えてくるときに起こる9つのトラブルと対策についてお伝えします。

6歳臼歯とは?

6歳前後に奥から新しく生えてくる永久歯です。
6歳臼歯は乳歯と生え変わるのではなく、一番奥の歯茎を突き破って生えてくる歯です。永久歯のかみ合わせの基準となる歯ですが、トラブルも多い歯です。

6歳臼歯が生えてくるときに起こる9つのトラブルと対策

① 6歳臼歯の歯茎の痛み

6歳臼歯は一番奥の歯茎を突き破って生えてきます。口の中が汚い状態で6歳臼歯が生えてくると歯茎が腫れ、痛みが出てきます。

【対策】
乳歯の時から口の中を清潔にし、歯茎が腫れていない状態で6歳臼歯を迎えてあげる必要があります。
腫れてしまった場合は刺激の少ない洗口剤を柔らかい歯ブラシにつけて、優しく6歳臼歯や周りの歯茎を磨くと腫れや痛みが引いてきます。

② 6歳臼歯が噛み合う歯に当たって痛い

既に噛み合う歯が出ている場合は、6歳臼歯が出てくるときに歯茎が盛り上がり、噛み合う歯に歯茎が食い込んで痛みが出ることがあります。

【対策】
6歳臼歯の周りを清潔にし、経過をみます。腫れが強い場合は抗生物質の軟膏を歯茎に塗って、6歳臼歯が出てくるのを待ちます。
それでも痛みが強い場合は歯茎を切開し、歯茎を噛み込まないようにする場合もあります。

③ 6歳臼歯の虫歯

6歳臼歯は乳歯の奥から生え、歯茎から完全に出てくるのに時間がかかり、歯の溝が深いため、最も虫歯になりやすい歯です。生えた永久歯は柔らかく、生えて来る途中で虫歯になってしまうこともあります。

【対策】
乳歯の時から虫歯ができない環境作りをして、6歳臼歯を迎えてあげる必要があります。虫歯は歯磨きだけで防げるものではありません。間食の与え方やフッ素やデンタルフロスの使用によって、乳歯の時から虫歯を作らないことが必要です。

④ 6歳臼歯の変色

6歳臼歯の色が変色していることがあります。これはエナメル質形成不全と言って、歯の表面のエナメル質が弱くなっている状態です。原因は不明ですが、歯が欠けやすかったり、虫歯になりやすいことがあります。

【対策】
高濃度のフッ素を塗りながら歯を強化していきます。歯が欠けてくるようであれば、歯の表面をコーティング剤で覆い、ザラザラの面を作らないようにしていきます。歯が完全に生えて、歯が強化されていくと虫歯のリスクが下がってきます。

⑤ 6歳臼歯が手前の乳歯に引っかかり生えてこれない

6歳臼歯が斜めに生えてくると手前の乳歯に引っかかり、完全に生えずに止まってしまう場合があります。そのままにしておくと乳歯の根が溶かされ、早くに抜けてしまうことがあります。6歳臼歯の手前の乳歯は本来11歳くらいまで使う歯です。乳歯が早くに抜けてしまうと、その下の永久歯が生えてくる隙間がなくなり、奥歯の噛み合わせがずれてしまいます。

【対策】
6歳臼歯が引っかかっている場合は部分矯正で6歳臼歯を起こし、乳歯を助けます。すでに、抜けてしまった場合は抜けた隙間を確保するために保隙装置(ほげきそうち)というものを入れます。完全に隙間がなくなってしまった場合は6歳臼歯を奥に移動させる矯正治療を行います。

⑥ 6歳臼歯が出てこない

6歳臼歯が歯茎に埋まったまま出てこない場合があります。埋伏歯(まいふくし)という状態で原因は不明です。そのまま出てこない状態が続くと奥歯では物が噛みにくく、歯並びが乱れる可能性もあります。

【対策】
出てこない場合は歯茎を切開し、矯正装置を付けて引き上げます。

⑦ 6歳臼歯がない

近年多いのが先天性欠如です。もともと歯がないという状態で、6歳臼歯がいつまでたっても生えてきません。4、5年後に生えてきたのが、6歳臼歯の奥の歯の12歳臼歯という場合が多いです。12歳臼歯は6歳臼歯の位置に生え、一番奥の永久歯が一本ない状態になります。

【対策】
噛み合わせが悪くなければそのままにします。多くの場合は6歳臼歯の位置に12歳臼歯がいい位置に生えてきてくれることが多いです。かみ合わせのズレが出るようであれば矯正治療を行います。

⑧ 6歳臼歯が生えてくるとき歯の欠片が出る

6歳臼歯が生えてくるとき歯の欠片みたいなものが出てくることがあります。これは歯が骨の中で作られる過程で余分にできた石灰化物の一部です。または、6歳臼歯が出てくる時に、歯を覆っていた骨が取り残された骨の一部で萌出性腐骨(ほうしゅつせいふこつ)といいます。

【対策】
歯の表面に石灰化物や腐骨が残っていて、それが動くようであれば取り除き、歯ブラシがしやすい環境にします。しっかりと付いている場合はそのままにして様子を見ます。特に悪いものではないので大丈夫です。

 

小児歯科ページはこちら>>

ページトップへ