コラム

こどもの歯が虫歯だらけ!?今後の影響と改善策

最近、「3歳のこどもの歯科検診に行くと、虫歯だらけだった!」という親御さんのお悩みを聞く機会がありました。この親御さんは、毎晩お子様の歯磨きをしていて、特に甘いものをたくさん食べさせているわけでもないのになぜ!?と不思議に思われていました。

仕上げの歯磨きをきちんと行っていても、こどもの歯(乳歯)が虫歯だらけになってしまうというお悩みを持つ親御さんがいらっしゃると思います。
今回は、なぜこどもの歯(乳歯)が虫歯になってしまうのか、虫歯になることでどんな悪影響があり、どのように対策をすればよいのかをご説明していきます。

乳歯が虫歯になってしまう原因

歯磨きが不十分

お子様だけの力や技術では、歯磨きが不十分になりやすく、歯に食べかすが付着したままになる可能性があります。また、歯と歯の間や奥歯の溝は歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが溜まりやすい場所です。

お子様が歯磨きを嫌がる場合は、口腔内で細菌が増殖してしまい、虫歯になりやすい傾向にあります

だらだら食べ

食事や間食により、細菌は糖分を分解して酸を作り、口腔内は酸性に傾きます。歯は酸性に弱く、歯の成分が少しずつ溶け出す脱灰(だっかい)の状態になります。通常であれば、唾液による再石灰化の機能が働き、酸を中和して歯を修復できます。しかし、脱灰のスピードが早く、再石灰化が追いつかない場合は歯が溶け続けてしまい、虫歯を引き起こすのです。

 

乳歯の虫歯が引き起こす悪影響とは

大人の歯の虫歯リスクが高まる

虫歯になりやすい口腔環境は、永久歯(大人の歯)にも悪影響を及ぼします。特に生え替わり直後の永久歯は歯質が不安定な状態です。虫歯に感染すると進行が早く、永久歯の成長を阻害する恐れがあります。

歯並びが悪くなる

すべての歯は1本ずつ独立しているのではなく、お互いに支え合いながら生えているようなイメージです。

しかし、乳歯が虫歯で早く抜け落ちると、既に両側に生えている永久歯が抜けたスペースを埋めようと傾いてくる場合があります。すると本来の位置ではない場所に永久歯が生えることになり、歯並びが乱れてしまうのです。

永久歯がきちんと生えてこなくなる

乳歯の虫歯が神経(歯髄)にまで達すると、歯髄炎や歯周炎を引き起こし、根の先に膿が溜まります。根には永久歯の芽である歯胚(しはい)がありますが、損傷すると永久歯の発育が阻害されます。

歯胚の成長が遅れると永久歯の形が変形し、歯のエナメル質や象牙質も薄くなってしまうのです。永久歯が健康な状態で生えず、歯並びが悪くなったり、虫歯のリスクが高まったりする原因になります。

 

虫歯を予防するにはどうすればいいのか?

適切なブラッシングと仕上げ磨き

効果的な虫歯予防には、適切な歯磨きと仕上げ磨きが重要です。歯の状態や成長に合わせて適切な歯ブラシを選び、正しい磨き方で汚れを丁寧に取り除きましょう。

お子様自身で歯磨きをする習慣も大切ですが、それだけでは十分な歯磨きとはいえません。親御さんによる仕上げ磨きを加えることが、清潔な口腔環境を作るきっかけになります。当院ではお子様と一緒に歯磨きの仕方をトレーニングし、親御さんには仕上げ磨きのアドバイスを積極的に行っております。

歯科医院での定期検診

歯磨きを中心に毎日のセルフケアは重要ですが、わずかな汚れが蓄積していき、虫歯のリスクが高まります。虫歯から大切な歯を守るには、歯科医院での定期検診が大切です。

歯のクリーニングをはじめ、フッ素塗布やシーラントなど、お子様に適した予防処置の提供が可能です。

 

まとめ

乳児健診や1歳6か月健診、3歳児健診などを通じて、虫歯を指摘される可能性があります。

「乳歯は永久歯に生え替わるから虫歯になっても大丈夫」という認識のままでは、お子様の口腔内が虫歯だらけになり、永久歯にも悪影響を及ぼすリスクが高まります。お子様の大切な乳歯を虫歯から守り、永久歯への生え替わりや健やかな成長をサポートするには、虫歯に対する適切な予防が大切です。

ぜひ今から当院と一緒に虫歯予防に取り組みましょう。

 

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